小粋なくずかご

日々のことをつれづれに

オフィスにいかないとダメですか

勤務先では、コロナによる自粛期間中は在宅勤務が義務付けられていた。どうしてもオフィスに出なければならない用事がある場合だけ、偉い人の許可を取って出ることができるという仕組みであった。会社にある機材を使う必要がある場合や、やはりオフィスのほうがネット環境が強いので、途中でどうしても切れてはいけないオンライン会合などの場合は出社する必要があるだろうが、そういうことがなければ出てはいけない状態である。

 

ただ、世間で言われているのと同様に、このコロナ禍によって、オフィスに行かなくてもまったく支障がないことを社員が全員知ってしまったのである。しかも、コロナの期間中は、オンラインをフル活用したほうが効率的に働けると言わんばかりに会社はバーチャル活動を推奨していた。顧客ともオンラインでつながれば、移動時間も交通費も不要になるのだから、その方針は間違っていなかったはずである。

 

さて、少しずつ制限が解除されてくると、会社はまた違った悩みを抱えているようである。人数制限をかけながらもオフィスは再開されることになったのだが、社員がオフィスに出てこないのである。各部署で人数を決めて出てくるようにしたいというのが上の人たちの考えのようであるが、私自身がまず賛同できないし、部下からも、なぜオフィスに出なければならないのか、と質問される始末である。残念ながらその答えを私は持っていない。

 

会社の立場に立てば、せっかく便利な場所にお金をかけてオフィスを借りていて、社員同士のコミュニケーション促進という目的をもって、余裕のあるスペースも用意したりしているのに、肝心の社員がいなければ意味がないのである。

 

オフィスに行く場合の社員のデメリットとしては、

① 通勤にかかる時間とその間の感染リスク

② オフィスにいる間はマスクをしなければならないという煩わしさ

③ 会議室争奪戦再び

が挙げられるだろう。

 

個人的には①はあまりネガティブなインパクトを受けない。正確に言うと、影響はあるけれど、前と同じであればオフィスに出ることによる効率性が上回るのである。

 

ただ、その効率性も②があることによって大幅にダウンする。社員間のコミュニケーションが取りやすいから出てこいと偉い人は言うけれど、相手の顔も見えない状態で総合的にどこまで効率がよいと言えるかどうか。

 

そして、圧倒的なのが③。この数か月で、会議室を取らなくてもオンラインで相手の顔を見ながら会議をできる環境があることに慣れてしまっているし、オンラインの場合は会議室間の移動が発生しない。また、家であれば(家族構成などによって異なるが)、プライベート空間がすでに用意されている状態なのである。同じオフィスにいるメンバーとの会議ならまだオフィスに行く説明もできるが、東京-大阪間のメンバーの場合はもはや何の意味もない気がする。

 

ただ、週何回かは会社に行かないと怒られるかもしれない、という罪悪感だけで今後は出社することになりそうである。

 

こっそり思っている疑問としては、この在宅勤務推奨の中で、会社から支給される交通費はそのままもらっておいてもいいのかどうか、という点である。