小粋なくずかご

日々のことをつれづれに

気持ちのリセット

海が好きである。潮の香りと水面の動きで、何も考えない時間が作れるように思うから。

 

関西ではコロナの騒がしさが少し落ち着いてきたこともあって、久しぶりの家族で出かける場所として海を選んだ。車で移動できて、密にもならない場所なら許されるだろう。

 

朝の海浜公園の人はまばらで、想定よりも強い日差しを除いては理想的な場所だった。ダンナの指導のもと、子供たちが釣りをしたり、網で生物採集をしたりするのを眺めながら、最近のできごとを振り返る。

 

子供たちの学校は6月から再開。通常授業ではないものの、日常に近づきつつある。中1の娘は早速学校生活を楽しんでいるようである。中3の息子は宿題の量にぶつぶつ言いながらも、やはり学校の再開と友達との再会の嬉しさが伝わってくる。この数か月間は、教育について不安を感じつつも、中高一貫校の対応のありがたみを感じる期間であった。

 

2か月以上家で過ごしていたわけで、こんなに家族で一緒に一つの場所にいたことはなかったと思い返す。一緒に過ごす時間が増えれば小競り合いの発生は避けられないと覚悟はしていたが、子供たちは少しは大人になっていたらしい。ぶつかり合いながらも、お互いに一定の距離を持つことを身につけているように思う。それは夫婦間でも親子間でも同様で、このコロナ禍の中で適度な距離感が形成されたのではないだろうか。何より4人での会話の時間を多くとれたことは、今後何か事件が起こった時の解決への基礎になりそうな気がしている。

 

ダンナは新しい仕事に就いてから一定の期間が経ち、この環境でも特に大きな支障を感じることなくこなしているようで、本人の口ぶりと横から見ているかぎりでは順調そうである。

 

さて、私である。現在の業務には若干の限界を感じている。やりがいは感じている一方で、組織というものは自分や一部の共感者だけでどうにかなるものではないと思う。このままがんばるか、新しいチャンスを探してチャレンジを始めるか。

 

今の仕事に移るとき、たまたま知り合いに運勢占いを紹介されて、義理もあって受けてみたことを思い出す。特に転職のことは伝えなかったが、これから少しの間、大変なこともあるかもしれないけれど、転職などは考えず同じ業務でがんばるのがよい、今職を変えると1年も持たないかもしれないから、と言われたのである。

 

その時は、おもしろそうな転職先をすでに見つけているのに何を言うのかと思ったのだが、まさか継続を悩む事態になっているとは。悔しいのでもう二度と会うものかと思う一方で、自分の今の運勢は気になるのでもう一度聞くことへの興味はある。ただ、広い意味でだとしても、こういう風に運勢を当てられたときに占い師に傾倒する人がいるのかもしれないと感じると怖いので、もう会わないことが正しい選択である気がしている。

 

と、以上が、海からの風になぶられながら思ったことの一部。リセットするのによい機会になったので、これから少しずつ徒然を入れていくくずかごにこの場所を使う。